海外修士号目指す人はTOEICに手を出してはいけない5つの理由

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海外の大学院で修士号を取得したいと考えるなら、最初に理解すべき現実がある。TOEICは、留学にはまったく役に立たないという事実だ。日本国内では企業の昇進や就職の指標として広く使われているが、海外大学院進学の観点から見れば、時間の浪費に近い。以下、その理由を5点に整理して説明する。


① スピーキング試験がない

TOEICの中心試験であるListening & Reading Testには、スピーキング評価が存在しない。つまり、英語を実際に「話す力」は一切測定されない。海外の修士課程では、授業中のディスカッションや発表、口頭試験などで自らの意見を英語で表現する力が求められる。TOEICで高得点を取っても、実際に話せなければ授業にはついていけない。TOEFLやIELTSでは口頭表現が必須であり、大学側もこれを英語力の中核として評価している。


② ライティング試験がない

TOEICでは、英語で文章を書く力も測定されない。海外大学院では、エッセイ・レポート・論文作成が日常であり、論理的に意見を構成する「アカデミックライティング力」が必須である。TOEFLやIELTSのライティングでは、主張を展開し、根拠を提示し、結論を導く訓練が求められる。一方、TOEICではそのような訓練が一切できない。たとえスコアが高くても、英語で研究論文を書ける保証にはならないのだ。


③ リーディングがアカデミックでない

TOEICのリーディングは、ビジネスメールや広告、社内通知といった日常的・実務的な英文が中心である。構文も比較的平易で、内容理解よりも情報の拾い出しを重視する形式だ。しかし、海外大学院で求められるのは、論文・専門書・講義資料などの学術的英文読解力である。長く複雑な文章構造、抽象概念、専門語彙を扱う読解力が必要だ。TOEICの形式では、こうした力は養われない。


④ リスニングがIELTS方式と大きく異なる

TOEICのリスニングは、ビジネス会話や職場シーンが中心で、発話も一定の速度と単純な内容が多い。一方、IELTSやTOEFLでは、大学講義や学生ディスカッションなど学術的内容が出題され、複数話者・多様なアクセント・要約型問題が主流だ。TOEICで高得点を取っても、実際の講義英語や学術討論を理解できるとは限らない。TOEICは“単語を拾う試験”、IELTSは“論理を理解する試験”である。


⑤ TOEICを採用している海外大学院は皆無

最も重要な事実は、TOEICスコアでは海外大学院に出願できないということだ。世界中の大学が求める英語証明は、TOEFL iBTまたはIELTS Academicが中心で、近年ではDuolingo English Testが加わる程度である。TOEICを正式な英語要件として認める大学院は、英語圏ではほぼ存在しない。特に英国では不正事件以降、ビザ審査でも完全に排除されており、スコアを提出しても受理されない。つまり、TOEICをいくら勉強しても、入学資格を得ることすらできないのだ。


結論

TOEICは「就職向けビジネス英語テスト」であり、「留学用学術英語試験」ではない。スピーキングもライティングもなく、読む・聞くの内容も学術的ではない。そして何より、海外大学院が採用していない。留学という目標を持つ人にとって、TOEIC対策に時間を割くのは遠回りどころか、完全なミスリードである。

本気で海外の修士号を目指すなら、今すぐTOEFLかIELTSの学習へ移行すべきだ。あなたの努力は、正しい試験に向けたとき、初めて未来への扉を開く。

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