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はじめに

海外の修士課程に挑戦するという選択は、専門的な知識やスキルを身につけるだけでなく、グローバルなキャリアを築くための貴重な第一歩です。特に、修了後の現地就職やボスキャリを通じたキャリアチェンジを目指す場合、重要な武器となるのが「人的ネットワーク」です。

どれほど優れたスキルや学位を持っていても、それを採用側に伝えるチャンスがなければキャリアは前進しません。そのチャンスを生み出す鍵となるのが、日々の学びや活動を通じて築かれる「信頼ある人間関係」なのです。ネットワーキングやメンターとの関係は、企業からの紹介、面接対策、内部情報の取得、さらには入社後の成長機会にも直結します。

本章では、留学中に築くべき人的ネットワークの在り方とその具体的な手法について、実践的な観点から解説していきます。自らのキャリアを切り拓くために「人とつながる力」をどのように育て、活かすべきか。その本質と戦略を、今ここで明確にしておきましょう。

留学先でのネットワーク構築法

海外の修士課程における最大の資産のひとつが、「同じ志を持つ仲間たちとの出会い」です。授業やプロジェクトだけでなく、学内イベントや課外活動など、日常のあらゆる場面が人とのつながりを築くチャンスにあふれています。この章では、留学生活のなかでどのように人脈を広げ、将来のキャリアに結びつけていくかについて解説します。

1. クラスメイトとの信頼構築:将来の「社内推薦者」になりうる存在

修士課程では、国籍もバックグラウンドも異なる学生たちと日々切磋琢磨することになります。単なる「同級生」ではなく、5年後、10年後には世界各地の一流企業で働いている人々と協働している可能性があるという視点で、関係を構築していくことが重要です。

特に、グループワークやケーススタディ、プロジェクト課題は、信頼関係を築く絶好の機会です。期限を守る、議論に貢献する、リーダーシップを取る、相手を尊重するなど、小さな積み重ねが“この人とまた一緒に働きたい”という印象を残し、将来的に社内推薦や情報提供の助けになることがあります。

2. キャリアイベントや企業説明会の活用:人脈構築のための“前向きな出会い方”

大学では、企業主催のセミナーやOB/OGを招いたトークイベント、業界研究セッションなど、キャリア支援系イベントが頻繁に開催されます。ここで大切なのは、イベントそのものの情報を得るだけでなく、登壇者や主催者と個人的な接点を作る意識を持つことです。

たとえば、イベント後に登壇者へ簡単な質問をし、名刺を渡したうえで「LinkedInでつながってもよろしいでしょうか?」と丁寧に聞く。こうした小さなアクションが、後のOB/OG訪問やインターン応募の際に「名前を知っている人」になる大きな一歩です。

3. 学生クラブ・団体への参加:同じ志を持つ仲間と企業の橋渡し

多くの大学には、MBAであればコンサルティングクラブ、AI系なら機械学習研究会、CS系ならハッカソンチームや開発サークルなど、さまざまな学生団体が存在します。こうしたクラブでは、業界別企業との接点、同じ志を持つ先輩・同期とのディスカッションの場など、学びと人脈が融合する機会が豊富に用意されています。

また、多くの企業はこれらクラブとパートナーシップを結び、実践型プロジェクトやミニインターンを提供しています。単なるイベント参加者ではなく、運営側やリーダーとして活動することで、より深い人間関係やリーダーシップ経験を得ることが可能になります。

4. 日常の振る舞いが信頼を呼ぶ:常に「見られている」意識を

特別なイベントや公式な活動だけでなく、授業での姿勢、SlackやTeamsでの発言、遅刻や連絡の頻度など、日常のあらゆる行動が「信頼形成」の材料になります。異なる文化の中で常にプロフェッショナルであろうとする態度が、他者からの評価を高め、自分の周囲に良質な人脈を呼び寄せます。

海外修士号という投資の成果を最大化するには、知識やスキルの習得だけでは不十分です。そこに“人とのつながり”という視点を加えることで、キャリアの可能性が飛躍的に広がるのです。次章では、こうした人脈をさらに広げる手段として、卒業生ネットワークやOB/OGとの連携方法を詳しく見ていきましょう。

卒業生ネットワーク・OB/OGとの連携

修士課程の留学中、大学での学びやネットワーク形成は現在進行形の資産ですが、それと並行して「すでにその道を進んだ人たち」とつながることも、キャリア構築において極めて重要です。特にボスキャリや現地就職を志す場合、同じ学校・学部を修了し、すでに現地で活躍している卒業生の知見は、他では得がたい“リアルな知恵”となります。

1. 卒業生ネットワークを活用する意義

卒業生とのつながりは、単に就職活動のアドバイスを得るためだけではなく、情報収集・人脈形成・企業へのアクセス・推薦といった多面的なメリットがあります。特に海外では、日本ほどOB/OG訪問の文化が一般的ではないため、「海外で日本人がつながる」こと自体が一つの安心材料にもなります。

また、海外修士課程の卒業生は、自分が経験した苦労や成功を次の世代に伝えたいという意識を強く持っている人が多く、誠実に連絡すれば多くの場合、快く対応してくれます。

2. 具体的なつながり方とマナー

(1)公式アルムナイネットワークを活用する

多くの大学や大学院は、卒業生専用のWebポータルやメンバーシップ制度を設けており、分野別・地域別に検索やメッセージができるようになっています。ここで見つけた卒業生には、共通点(同じ専攻・出身地など)を踏まえてメッセージを送り、簡単なZoom面談やチャットをお願いしてみましょう。

(2)LinkedInでの個別アプローチ

LinkedInの「大学」ページから「卒業生を見る」機能を使えば、就職先・専攻・居住地などで卒業生を絞り込むことができます。アプローチの際は、自己紹介、所属、目的(進路相談など)を明確にしたうえで、短く丁寧にメッセージを送るのがマナーです。

例:

「こんにちは。現在〇〇大学でデータサイエンスを学んでいる〇〇と申します。貴社に強い関心があり、ぜひキャリアに関してお話を伺えればと思いご連絡しました。」

(3)日本人ネットワークを探す

多くの大学には、日本人学生・卒業生がつながるLINEグループやFacebookグループ、Slackチャンネルが存在します。そこでは就職情報、生活情報、語学試験対策など幅広いトピックが交わされており、就職活動中の情報源としても非常に有効です。

3. OB/OG面談の進め方と信頼構築

単に話を聞いて終わるのではなく、「また会いたい」「応援したくなる後輩」と思ってもらえることが、最終的に企業紹介や推薦につながるカギとなります。

準備がすべて:相手のバックグラウンドや現在の業務内容を事前に調べ、聞きたいことを3〜5点メモしておくこと。

リスペクトと誠意を持って接する:「お時間をいただきありがとうございます」「学びになりました」といった言葉は基本です。

フィードバックや成果報告を欠かさない:面談後に感謝メールを送り、アドバイスを実践した結果などを追って報告することで、関係は一過性のものではなくなります。

4. 卒業生ネットワークがもたらす実利的な効果

優れたOB/OGとのつながりは、下記のような具体的なキャリア支援につながることがあります:

非公開求人や内定者限定の社内採用情報の共有

選考のアドバイスや模擬面接の練習相手としての協力

ボスキャリでの面接予定企業に勤めている場合、企業理解を深める内部情報の提供

ビザ取得や勤務地交渉に関するリアルな体験の共有

人は人によって道を拓く。留学先での仲間が“現在の支え”であるとすれば、卒業生ネットワークは“未来の道しるべ”とも言えます。勇気を出して一歩踏み出し、先をゆく先輩たちに会いに行くことが、将来の自分にとって最も実りある投資のひとつになるでしょう。

信頼できるメンターとの出会いと関係構築

人的ネットワークのなかでも、特にキャリア形成に深く関わるのが「メンター」の存在です。修士課程での学びと並行して、進路や価値観を見つめ直しながら自分の軸を確立していく過程において、信頼できるメンターの助言は、ときに“方向を変えるほどの示唆”を与えてくれます。この章では、メンターの種類・見つけ方・良好な関係の築き方について詳しく解説します。

1. メンターとは誰か?:3つのタイプとその役割

「メンター」と言っても一括りにできるものではなく、役割や立場に応じて以下のように分類できます:

アカデミックメンター:主に研究・論文・学問領域において助言をくれる教授や指導教員。将来的に博士課程や研究職を視野に入れる人にとって、極めて重要な存在。

キャリアメンター:同じ業界や職種で活躍している先輩・OB/OGなど。選考対策、職場環境、企業文化など、実務的な観点からアドバイスをくれる。

ピアメンター:同年代で自分より一歩早く進んでいる仲間や、インターン・就職活動を通して知り合った同期たち。フラットな関係性だからこそ本音を語れる存在でもある。

自分が今どのステージにいて、どのような壁に直面しているのかによって、求めるメンターのタイプを明確にすることが第一歩です。

2. メンターの見つけ方:意図的な“出会い”の作り方

メンターとの出会いは「偶然」ではなく、「行動」の結果です。特に以下のような場面で、自ら積極的に関係を築くことが重要です。

研究指導のなかで関係を深める

学問的な方向性に共鳴する教授と継続的な対話を重ねることで、進学や研究職への道を支援してくれる存在となります。

インターン先・アルバイト先の上司を信頼関係でつなぐ

職場で評価された経験があれば、業界知識と人脈の両方を持つキャリアメンターとして、長期的なサポーターになってくれることもあります。

イベントやセミナーでの出会いを逃さない

業界イベントや大学主催のセミナーで登壇者と名刺交換し、後日改めて話を聞かせてもらうなど、小さな接点から信頼を築くチャンスは豊富にあります。

紹介を通じた出会いを活用する

信頼できるクラスメイトやOB/OGに「似たキャリア志向の人を紹介してもらえませんか?」とお願いすることも、自然な形で良質なメンターに出会う手段です。

3. 良いメンター関係を育てる3つのポイント

単に話を聞くだけの関係で終わらせず、継続的かつ対等なパートナーシップに近づけるには、次の3点が欠かせません。

定期的なコミュニケーション

面談のあとに「その後どうなったか」を報告する、進捗や成果を共有することで、関係が深化します。やりとりの間隔は2〜3ヶ月に1回でも十分です。

感謝と敬意を言葉にする

小さな相談にも「ありがとうございました」「参考になりました」という一言を欠かさず、相手の時間と知識に対する敬意を明確に伝えましょう。

Giveの精神を忘れない

メンターから何かをもらうだけでなく、たとえば面白い記事の共有や自分の学びのフィードバックを返すなど、相手にとっての刺激も提供できると理想的です。

4. メンター関係における注意点と限界の理解

すべてのメンターが完璧な助言者とは限りません。以下のような視点も持っておくと、メンターとの関係をより健全に保てます。

依存せず、自分の判断軸を持つこと

助言はあくまで参考であり、最終的な意思決定は自分の責任で行う必要があります。

一人に固執せず、複数のメンターを持つ

特に異なる業界や立場の人と接することで、多角的に物事を判断する力が養われます。

相手の時間と状況に配慮する

忙しい社会人にとって、月1回の30分でも貴重な時間です。常に感謝と配慮の姿勢を忘れず、連絡頻度や相談内容も工夫しましょう。

メンターとの関係は「情報」以上に「視座」を与えてくれるものです。キャリアに迷ったとき、励ましが欲しいとき、自分では見えなかった道を照らしてくれる存在。だからこそ、出会いを待つのではなく、自ら求め、築く努力が必要なのです。

このように人的ネットワークの中でも、メンターとのつながりは“質”の部分を担う極めて重要な要素です。次章では、こうしたネットワークとメンターを活用して現地就職にどうつなげていくか、具体的な戦略を深掘りしていきます。

人的ネットワークを現地就職に活かす戦略的アプローチ

人的ネットワークやメンターとの関係は、それ自体が目的ではなく「未来の扉を開く鍵」として機能します。海外修士課程を経て、ボスキャリや現地でのキャリア構築を目指すなら、これまで築いた人間関係を“戦略的に活かす”視点が欠かせません。

1. 情報取得から行動へ:ネットワークを使い倒す意識

人的ネットワークをキャリアに活かす第一歩は、「知って終わり」ではなく「行動につなげる」ことです。たとえば:

OB/OGに教えてもらった企業に実際に応募してみる

メンターからの助言をもとにレジュメを改善して送ってみる

クラスメイトの紹介でつながった人と次のミーティングを設定する

このように、受動的な情報収集にとどまらず、「つながり→行動→結果」へと結びつける姿勢が、現地就職を勝ち取る鍵となります。

2. ボスキャリで差がつく「人脈の質」

ボストンキャリアフォーラム(ボスキャリ)のような短期間・高密度の採用イベントでは、「ネットワーキングの質」がダイレクトに成果に反映されます。

面接前に社員との事前接点があるかどうか

OB/OGからの推薦や社内紹介があるかどうか

イベント後に面接官とメールでつながりを持てるかどうか

このような些細に見える要素が、選考通過率や印象評価を大きく左右します。修士課程中に積み重ねた信頼ある人間関係こそが、イベント本番での「目に見えない後押し」となってくれるのです。

3. 現地就職後も続くネットワークの価値

人的ネットワークの本当の価値は、内定獲得後にこそ発揮されるとも言えます。内定者同士のつながりは入社後の安心感につながり、先輩社員との関係は業務の壁を乗り越えるヒントになり、メンターとの継続的な関係は昇進やキャリアチェンジの際の羅針盤になります。

海外で働くということは、「自分ひとりで何とかする力」と同時に「周囲の信頼を味方につける力」が求められます。その意味でも、人的ネットワークは単なる“就職のための道具”ではなく、“生き方の土台”として機能するものなのです。

おわりに:つながりの力を、未来の自分の味方に

海外修士号を取得し、異国の地でキャリアを築こうとするあなたにとって、スキルや学位と同じくらい大切なのは、「どんな人と出会い、どう関係を育んできたか」です。

人的ネットワークとメンターシップ。それはあなた一人では見つけられなかった道を照らし、想像を超えるキャリアの扉を開くものです。だからこそ、自ら動き、関わり、信頼を育てる姿勢を持ち続けてください。

それが、現地就職という目標を超えて、“世界を舞台にしたキャリア”を歩むための、最大の武器となるはずです。

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